平成13年5月7日付



日本容器包装リサイクル協会への質問」

財団法人日本容器包装リサイクル協会  理事長 稲 葉 興 作  殿
全日本紙器段ボール箱工業組合連合会 会 長 穴 穂 達 雄  殿
 質  問  状
 新緑の候 貴会ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。  平素、リサイクルの運営につきましては格別のご協力に預かり厚くお礼申し上げます。  さて、わが国は高度経済成長にのり大量生産、大量消費が人々に物質的な豊かさを与えた反面、 ゴミ問題を初めとして環境政策が大きくクローズドアップされて参りました。  平成5年環境基本法が制定され、これを受けて各論のひとつともいえる「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」(容器包装リサイクル法) が平成7年に制定され、平成9年度からガラスビン、ペトルボットが一部施行、更に平成12年度から紙製容器包装、 プラスチック製容器包装が施行され完全実施されました。特に、紙製容器包装は再商品化手法等に大きな課題を抱えた中での運用は、 実施後1年を経過した今、計画と現実に大きな隔たりが出てきているのも事実です。  去る4月27日理事会を開催した結果、紙製容器包装リサクル法の運用に関し諸処の疑問点が出されました。 これらの疑問点について協会としてのご意見をお伺いいたしたく、質問状を提出する次第です。  なお、当連合会は循環型社会の構築を目指すため組合員各位にリサイクルしやすい紙製容器の開発等を指導し、 また、「容器包装リサイクル法マニュアル」「ダイジェスト版」等を作成し、啓蒙普及に努めており製造事業者団体としてリサイクル活動の啓蒙と普及に積極的に取り組んでおり、 法そのものを否定するものではないことを申し添えておきます。

記.1  再商品化計画量・分別収集計画量について
  再商品化計画量及び分別収集計画量は、 いずれか少ない方の数値を基礎とし、これに特定事業者責任比率を乗じたものが、再商品化義務総量として算定係数産出のための母数となっています。 平成12年度は66,000トンに94%を乗じた62,040トンが再商品化義務総量となっている。しかし、協会の市町村からの引取予定量は17,859トンに過ぎない。 また、平成13年度においては133,000トンに93%を乗じた123,690トンが再商品化義務総量となっており、取引予定量は25,114トンしかなく、 国が定めた目標値とは大きなミスマッチが生じている。
紙製容器包装は、平成12年度から施行されたため平成13年度の予測数値は立てにくいのはわかるが、厚生労働省が平成13年度に向けて前年度から予備調査を実施しているので、 分別基準適合物の総量把握は可能な筈である。容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律第29条に「3年ごとに、5年を一期」として、見直す規定があり、平成14年度はその年に当るので、特に、 分別収集計画量の数値を実態に近い数値に近付けミスマッチを調整すべきではないでしょうか。

2  算定係数・委託単価について
  特定事業者が協会に対して支払う委託料を算定する際に用いる係数は、国の調査に基づいて行われることは承知しております。再商品化義務量の増加に伴い平成13年度は12年度対比約1.8倍となっております。 上記1でも述べた通り再商品化可能量と分別収集計画量を基礎としているため、現実と目標値が余りにも乖離した結果となっています。 そこで、問題となるのは協会の委託単価の設定で、 平成12年度の委託料金58,636円/トンを据え置いたため、算定係数の跳ね上がりにより平成13年度の委託料が約2倍の支払となります。協会の資料によれば, 紙製容器包装に関する平成12年度収支実績見込みでは特定事業者からの再商品化受託量28億4500万円に対し、再商品化委託料は12億0500万円で、差引き14億4000万円が残ります。 これは13年度委託申込に当たり、契約量に応じて相殺されると聴いておりますが、結果的に13年度に支払う金額は相殺分を考慮しても、平成12年度対比1.5倍となります。  デフレ経済基調の中で、今企業は売上げの減少、収益の悪化に苦慮している現状で過払いが余りにも大きすぎるのも事実です。平成14年度の申込に当っては過払い分で特定業者からの再商品化受託料を全て相殺できるほどの金額です。 かって、ガラスビンで過不足が生じ追徴した例はあるにせよ「ドンブリ勘定もはなはだしい」としか言い様がありません。平成14年度は、委託料単価算出に当っては、取引見込にプラスアルファーを加味した, より実態に近付けた単価設定にすべきではないでしょうか。

3  フリーライダー対策について
 協会は、平成12年度対象となるであろうとする事業者約16万社に対し、各地区の商工会議所・商工会を経由して委託申込書を発送している。 このうち、約4万社は特定事業者に該当しない回答を受け、平成13年度申込に当っては、この4万社を除く12万社に発送したと聞いています。実際、特定事業者に該当する者は18万社〜20万社あるとすれば逆行していることになる。  委託料不払い事業者の分まで、払った事業者の委託料で再商品化をカバーしているのでは、「正直者が馬鹿を見る」結果となっている。小額委託者といえども、法に定める特定事業者であった場合、 委託料よりも事務コストがよりかかってしまうという現状を追認する考えでは、リサイクルに対する意識の高揚と責任分担がなし崩しとなり、協会に対する不信感は益々増長される結果となります。  また、委託契約を結んだ企業名を公表するとしているが、「これぐらいのことでは容器包装リサイクル法の適正・公平な運用はできない」と思います。 協会は、特定事業者洗い出しにどのような調査を行い、 今後どのような方法で洗い出しを行い公平な運用を行うのでしょうか。


4 商工会議所・商工会について
 協会は、各地区の商工会議所・商工会に事務の一部を委託しているが、 協会から送付された書類を各地区の商工会議所・商工会の封筒を利用して、ただ単なる書類の発送、回収、取纏めのみで何等機能していないのではないか。 事業者からの内容の問い合わせに対しては、 「協会から発送されてきたものを、ただ発送しているだけなので、協会に聞いて欲しい」との回答が多く、何のための事務委託か分からない結果となっている。  特定事業者から集めた金が各地区の商工会議所・商工会に対して取り扱い手数料として多額の資金が使われている。 問合せ先が協会に集中していることを考えれば、書類の発送は一括請負の方法を採りコストミニマムにすべきではないでしょうか。  以上、上記4点について財団法人日本容器包装リサイクル協会のご意見を文書でご質問申し上げる次第です。

資料「日本容器包装リサイクル協会からの回答」
日容包リ第13‐92号平成13年6月7日
全日本紙器段ボール箱工業組合連合会 会長 穴穂 達雄  様
財団法人日本容器包装リサイクル協会専務理事 岩田功
 拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。  さて、先般平成13年5月7日付けでご質問のありました件に付いて、以下のとおりお答えさせていただきます。 
なお、貴団体に置かれましては、何卒、法律の趣旨、制度の内容等を正しくご理解され、貴団対傘下の事業者の方が特定事業者としての義務を 履行するよう今後とも引き続きご指導をお願い申しあげます。  敬具

記1. 再商品化計画量・分別収集量について

 ご指摘の通り、紙製容器包装については、 国の分別収集計画(5カ年)と、実態(市町村が実際に分別収集し協会に引き渡す量)とが大きく乖離しています。 制度スタート当初において、 計画の精度はどうしても低くなると思われます。特に初年度については、準備が遅れる、先送りする等の市町村が、ある程度生じるのはやむを得ないと考えられます。  しかし、現在の分別収集計画は、初年度のみならず実態との乖離があまりにも極端すぎます。 協会の委託単価に対する不信・不満の根本原因が、この極端な乖離に由来していると考えております。 また、実績が制度上の計画を大幅に下回る乖離は、再商品化を実施する事業者にとって死活問題にもなります。 
分別収集計画と実態との極端な乖離は大きな問題と認識しております。  昨年秋、旧厚生省に、分別収集計画の見直しを要望し,省内でも検討がなされましたが、結局実現しませんでした。分別収集計画と実態の大幅乖離をなくす様、今後も機会ある毎に申し入れていきます。
 なお、ご指摘の予備調査は、当協会が実施しています。しかし、予備調査結果も実績とは大きくかけ離れているのが現状です(平成12年度実績は、予備調査の1/3以下)。

2. 委託単価について
 ご指摘の通り、再商品化の実施量(教会が市町村より引取る量)が国の計画に基づき決まる義務総量(制度上の再商品化計画量)を大幅に下回っているのが現状です。そして、再商品化の実施量についても精度の高い予測はまだ困難です。  このような現状においては、紙製容器包装の委託単価は再商品化単価(再商品化費用/再商品化実施量)にあわせるべく設定するのが妥当と考えています。 委託単価をこの様に設定した場合、実績(再商品化実施量)が制度上の計画量(義務総量)を大幅に下回れば、大きな過払いとなります。  大きな過払いについては異論もあると思われます。しかし、過払い分は,翌年度の支払いと相殺精算されることになっております。実際の支払い額が毎年大きな過払いとなるわけではありません。 制度上の計画量未達分の費用が翌年に繰り越されると考えて頂きたいと存知ます なお、制度上の計画量と実績の乖離が狭まれば過払い精算も減少します。 当分は大幅な精算返却がつづくことも予想されます。特に平成13年度については、義務総量の急増等、 制度スタート当初の特殊要因も加わって、極めて大きな余剰が見込まれます。 このような結果から“どんぶり勘定もはなはだしい”と思われるかもしれませんが、単に追徴を避けるために大幅な余裕を見たいいかげんな設定をしているのでないことをご理解頂きたいと存知ます。

3. フリーライダー対策について
 法律上、特定事業者の指導等は国の責務とされておりますが、この容器包装リサイクル法を遵守しない事業者に対しては,現在、財務省(国税庁)、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、環境省の5省庁がそれぞれ所管する企業への立ち入りを含む調査、 指導を行っており、今後必要に応じて、法律上の手続に従い、助言・指導、勧告、企業名の公表、命令を行うことを検討していると聞いております。 ご指摘の16万社については、平成10年度の時点でNTTのタウンページ、 総務庁の企業・事業所統計等をベースに容器包装を利用・製造している可能性のある業種に関係のある事業者を広範囲にリストアップしたものであり、あくまで送付先事業者リストの性格を持つものであります。 その中には、義務が免除される小規模事業者や既に転業廃業している事業者も含まれているため、毎年改訂をしております。 一方、容器包装リサイクル法による指定法人である当協会においては、特定事業者に該当すると思われる事業者を上記の方法で極力幅広くリストアップし、 申込用紙を送付する直接広報を行っているほか、説明会の開催、各種パンフレットの作成・配布等普及・啓発を行っております。今後は今まで以上に普及・啓発を行っております。今後は今まで以上に普及・啓発活動に力を入れていく予定であります。  なお、委託料を払っていない事業者の分を払った事業者が負担しているかのようなご意見でしたが、事業者が当協会へ申し込みをする際の計算方法は、あくまで個々の事業者が負担する個別の量を算出する仕組みとなっており、各事業者が当協会へお支払いいただいている費用は、 その事業者の義務をはたすために使われております。そのため、当該年度において、義務がありながら、義務を履行しない、いわゆフリーライダーについては、その義務が消滅することは無く、国・協会は、引き続き、義務を履行させるべく最大限の努力をしていく所存であります。  その結果、当該年度に義務を履行しなかった事業者が次年度以降に発覚した場合、遡って義務を追求することになります。なお、経理処理上は、当該年度の決算に反映できないため、義務を履行した年度の収入とし、その年度の精算の対象とする予定です。  当協会は、リサイクルの義務を有する事業者からの委託を受けて、その義務を代行する機関であります。この制度は、事業者の自主申告が基本であり、当協会は、委託を受けるという受け身の立場にあります。先ほど申し上げましたが、特定事業者の捕捉や指導は法律上、 国の業務となっており、フリーライダー対策については、国がどの程度、 事業者への指導を行うかがこの法律を運用していく上で最大のポイントになっております。そのため、月2回開催される主務5省庁との打ち合せ会議では、 国にきちんとフリーライダー対策を実施するよう要望しております。 ただし、国も協会も義務を果たしていない事業者がどこの町にどれだけいるのか、完全に把握しきれておりません。 それは、企業規模(再商品化義務を免除される小規模事業者の判定条件として売上高と従業員数)が網羅されたデータがどのような容器や包装を使用したり、製造しているかについてのデータがまだ完備されていないためです。 しかしながら、フリーライダーの調査も実施されておりますので、今後データの整備が期待されているところであります。

4. 商工会議所・商工会について
 各地商工会議所・商工会は、単なる書類の発送業務だけを行っているのではなく、 (1)申込用紙の発送、回収(2)記入内容の確認、訂正、(3)記入内容データのパソコン入力、(4)契約書の発送、回収、(5)契約内容の確認、(6)申込書・契約書の管理、(7)窓口での申込用紙の配布、(9)事業者からの問い合せへの対応、 (10)容リ法に関する講習会・説明会等の開催、(11)会報による容リ法に関する普及・PR活動等幅広い業務を実施しております。 こういった業務を全て当協会で実施するのであれば、発送以外に、 申込み内容のチェック、修正、パソコンへの入力等に50人、100人といった単位で人が必要になるほか、その人数に対応したパソコン、作業場所の確保等が必要となります。(パソコンは、各地商工会議所・商工会の自前のものを使ってもらっており、 その使用料やインターネットへの接続料は当協会で負担しておりません。) 当協会では、各地商工会議所・商工会担当者に対して、毎年1回研修会を開催し、法律の概要や各種の手続き面(改正点を含む)について、 研修を行うとととに、「再商品化に係る業務委託の実施マニュアル(法律概要や、特定事業者の果たす役割、容器包装リサイクル法に関する実用Q&A、パソコンによる申込データの入力マニュアルなどを掲載)」を作成し、全国へ配布しております。 また、当協会のホームページや会報で随時必要な情報提供を行うなど、事業者からの問い合わせに対応できるようにしております。 本件について、何かありましたら、下記までお問い合わせください。  
(財)日本容器包装リサイクル協会:高松・渡辺
пF03−5532−8596・8585
※資料出処:「全日本紙器段ボール箱工業組合連合会第3回理事会議案から」



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