|
 |
|
平成11年8月 |
容器包装リサイクル法の完全実施
紙・プラスチックが対象に
来年の4月には、容器包装リサイクル法の対象範囲が広がることとなる。すなわちプラスチックや紙に適用されることとなるのである。中小企業もリサイクル義務の対象に加わる(約20万社)。義務を免除されていた中小企業にも費用負担が課せられる。
一般廃棄物のなかで、容器や包装材は、容量で60%以上、重量で25〜30%を占めているといわれている。これをリサイクルに回せば、廃棄物の処分にまわるゴミ量が大幅に減らすことができるものとの考えのもとに、95年にいわゆるリサイクル法が成立したのである。
リサイクル法では、周知のように自治体に容器包装の分別回収を義務づけている。一方では、企業にリサイクル費用の負担を課している。大企業では、処理費用の分担が数億円に達すると予想され、コスト負担が大きな問題となっている。効率のよいリサイクルのシステムづくりが早急に求められているゆえんである。
企業に義務づけられているリサイクルの範囲は、自治体が分別回収したガラスビンやペットポトルの引き取りから再資源として使える状態にするまで、洗浄や粉砕などの費用も含まれる。すでに対象となっているペットポトルを例に取ると、各自治体が保管している場所からリサイクル工場に運び、細かく砕いたあと不純物を取り除き、繊維材料にするまで企業が受け持つのである。
しかし、個別企業が自前でリサイクルを手掛けるのは難しい。そこで、容器メーカーや容器のユーザー企業が資金を出し合って、96年に財団法人日本容器包装リサイクル協会を設立し、リサイクルを代行する仕組みをつくった。飲料メーカーや食品メーカーをはじめとする
ユーザー企業と容器メーカーの双方がリサイクル費用を分担、協会は、個別企業に代わってリサイクル事業者を選んだり、容器・包装材のリサイクル単価を決める。来年の4月からリサイクルが義務づけられる、プラスチックや紙をリサイクルの仕組みも、基本的にはこの流れのなかで運用されることとなる。
ペットボトルの場合
リサイクル法の枠組のなかで、企業が協会に支払う費用は各企業が1年間に使用する容器・包装材の重量によって決まる。つまり、重い容器を使えば使うほど、また、容器を使用すれば使用するほど費用負担も増える仕組みになっている。
費用負担とはいっても、メーカーとユーザー企業とでは、その割合は異なっている。基本的にはユーザー企業の負担が大きくなっている。ペットポトルの場合では、ユーザー企業9に対して容器メーカー1の割合で費用を分担している。
協会が自治体から引き取ったペットポトルの量は97年で約1万4000tに上る。そのリサイクル費用は1t当たり、約10万円かかる。つまり、97年は総額で14億円が企業側の負担となった。
回収を義務づけられている企業は、ペットポトルの場合で200社ある。平均すると1社当たりの負担は700万円になる。しかし14億円のうち、約9割はペットポトルを利用するメーカーが支払わなくてはならない。個別の企業が協会にどの程度の金額を支払っているかは明らかにされていないが、ある大手メーカーの幹部は「1年間で数千万円を支払っており、経営的にも重荷となっている」という。
こうしたペットポトルで起きていることが、来年4月から対象となるプラスチックや紙でも発生する。紙の場合は、古紙回収の仕組みやリサイクル技術が確立されているので、すぐには大きな問題は起こらないだろうとみられている。
大量の排出物、プラスチックをどうするか
家庭から出されたプラスチック容器や包装材はこれまですべて焼却処分されており、リサイクル技術も実験中の段階にある。リサイクルの単価を1t当たり、ペットポトル程度の負担額で再資源として利用できるかさえ、分かっていない。本年9月上旬に正式発表される予定。
通産省の推定では、家庭から出されるプラスチックの容器包装材の総量は、1年間に約300万〜400万t。このうちペットポトルと同じく10%がリサイクルにまわると仮定しても30〜40万tがリサイクルの対象となる。
容器・包装のユーザー企業と製造企業の分担割合も決まっていない。今後通産省などを中心に協議がなされる予定だが、ユーザー企業の負担が重くなることは確実とみられている。「家庭からの排出量が最も多いプラスチックの容器や包装材料から考えると、食品業界の負担が非常に大きくなるのではないか」(通産省担当官)という。通産省では、食品や清涼飲料水、化粧品などの業界に対して、年間の容器・包装材の使用量などのアンケート調査を始めたと聞いている。
この結果を受けて、実際に各業界の負担比率が決まるのは7月頃の見込みだといわれていた。「分かっているのは負担が増えることだけ。どれほど払えばよいのか。負担を減らすには、どうすればよいか、対策がたてにくい」とプラスチックの容器包装リサイクル推進協議会などから声があがっている。
前出の財団法人容器包装リサイクル協会と再資源化(リサイクル)の代行契約を結ぶときには、各企業は使用する容器・包装のの重さを申請しなければならない。必要となるのは、容器や包装材利用実態を知ることだ。
ライオンは、洗剤やシャンプーなど4000種類もの商品に、紙やプラスチックの容器・包装材を使用している。同社では、96年から全商品に紙やプラスチックがどれだけ使われているか。データーベースに蓄積する作業を重ねてきた。「来年の4月から、どの程度負担が増えるのか分かれば、その軽量化で対応し、協会に支払う負担を軽くすることができる」と。
日本生活協同組合連合会(日生協)では、プラスチック容器や包装材の使用制限に着手している。日生協が、98年にペットボトルとガラスビンのリサイクル費用として協会に支払った委託料は、2000万円。日生協は、「この費用だけで、収益力に大変な影響」がある。仮に単価がペットボトルと同じ10万円で済んだとしても、協会に支払う委託料は、1億円に膨れ上がると見込んでいる。「商品の価格に上乗せすれば」という声もある。だが、景気低迷下それは無理だ。「内部のコストを切り詰めて吸収するべきだ」(日生協)。そのために97年から独自の容器包装ガイドラインを作成し、配布している。
ペットポトルの軽量化
98年、飲料メーカー各社は、先行したペットボトルのリサイクルの費用を、いかに減らすかに知恵をしぼった。アサヒ飲料では、500mlペットボトル容器(売れ筋)の商品ラインアップを強化した。総出荷量が前年の9000万ケースから1億6000万ケースに急増した。そこで容器そのものを軽量化し、リサイクル費用の抑制を目指している。 97年からは・・・・・・、
| |
(1)ペットボトルのプラスチック薄くした。 |
| |
(2)ペットボトルのラベル部分を軽量化した。 |
| |
(3)白色ボトルを無地に統一した(費用増加の原因とみて)。 |
このためには、新たな投資が伴う。当たり外れが大きい飲料業界では、体力のある企業でなければ、投資に踏み切れない。衛生的理由からペットボトルのそのままの再使用の目はない。但しドイツではその容器をそのまま使い回しているが日本では消費者の意識からして無理と思われる。にもかかわらず、必ず再資源化するという規定があるためコストばかりがかさむ、と不満をもらす業界の声もある。
企業に負担を求めるだけでいいのか?
容器包装リサイクル法は、企業に積極的にリサイクルに取り組もうとする動機付けを与えなければならない。コスト負担を求めるだけでは、法遵守に不満が残る。業界全体で統一した取り組みができるように誘導しなければならないだろう。その際、なんらかのコスト軽減措置を示すことが必要となるのではなかろうか。
今後もこのページで随時、容器包装リサイクル法についてコメントいたします。
Copyright 京都府紙器段ボール箱工業組合
|