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平成11年12月 |
「紙器業界のY2K〜もうひとつの2000年問題」
容器包装リサイクル法の概要
2000年問題といえば、今騒がれている1999年12月31日から2000年1月1日にかけてコンピュ−タの誤作動の問題である。われわれの2000年問題は、4月1日にかかわる「容器包装リサイクル法」が、この日から「紙製容器包装」にも適用されるということである。この法律の運用には、社会全体で取り組むために、消費者が分別排出し、市町村が分別収集し、事業者が再商品化(リサイクル)することが求められている。
紙製容器包装・プラスチック製容器包装に適用対象が広がると、再商品化の務めを負う対象事業者が、大幅に拡大する。いわゆる小規模事業者には適用されないのであるが、対象業者は、従業員21人以上か、年商2億4千万円以上のいずれかかに該当する企業に適用されることになる。つまり、容器を利用または製造しているか、包装を利用しているかぎり、すべて再商品化の義務を負う。その数約20万社ともいわれている。
再商品化とは、分別された容器包装廃棄物を、製品の原材料として利用したり、製品として利用したり、製品としてそのまま使用する者に、有償または無償で譲りわたせる状態にすることである。再商品化の義務をどのようにして履行されるかというと、特定事業者が義務を履行するためには、国が指定する指定法人である「財団法人日本容器包装リサイクル協会」へ委託するという方法がとられるのである。この指定法人が、いわゆる再生工場である再商品化事業者に委託して再商品化が実現される手順とるなのであるが、特定事業者は、この指定法人に契約の基づいた委託料を支払い、再商品化を代行してもらううことで、再商品化義務を履行したとみなされるのである。
特定事業者には、再商品化しなければならない義務量というものがある。義務量は、業種や容器包装の製造量・使用量等によって、それぞれに算出され分担することになるのである。
<2、3の問題点について>
段ボ−ルの場合
段ボ−ルの場合は、現在、有償または無償で取引され、市場性があるため、容器包装リサイクル法上、商品化義務が免除をされている。また、自主回収ル−トを通じて再商品化がすでに達成されている状況にある。現状では、段ボールについては、有償で市場に出回っていて需用と供給とがバランスし、リサイクルされている状態がある。段ボールは、有償で上手くリサイクルされているのが、もしも上手くはいかなくなる事態に対して市場がどう反応するか見極めていかなければならないだろう。
需給のバランスが崩れると今まで有償で引き取られていたものが、引き取ってくれなくなると逆有償になるといった現象がでてくる。スーパーなどでは、段ボール箱に入れたまま店頭にだすことにし、その使用頻度を減らしていくかもしれないし、流通・物流におけるパレット化の普及といったこととも関わってくる、と予想することもできる。段ボールを売らないで、パレットの製品を繰り返し使うことで対価をもらう、という包装サービスの営業が出てくるかもしれない。
紙製容器の場合
紙製品については、現在代行する協会から契約の手続きをするように窓口の商工会議所を通じて、文書が発行されている。手続きを完了すると、委託料を払ってもらうということになる。おおよそ対象となる企業の負担額の7割は、大企業が占め、契約が進んでることとなるが、再商品義務者から金が入らないと、協会は有利子資金を調達し、再生処理業者に支払わなければならなくなる。文書がこないからといって、それは現段階における調査能力問題であって、一定の要件を満たしておれば、再商品化義務は発生しているのであるが、網の目から落ちこぼれているからといって法律を守らなくてもいいとはならないのである。中小企業者にとって個々の負担額(委託金)は、自主申告で協会と契約手続きし、支払う必要がある。それでも払った人との間で、タダ乗りや過小申告の問題が顕在化してくるであろう。
現在、消費者が分別しやすいように表示問題が提起されている。これは再生資源の利用促進法に基づいてリサイクル法に指定されたもの全てに表示(マークを印刷)するものである。この法律が決まると適用外の事業者も、既に適用している事業者も包括されることになる。
紙については、適用が猶予されていたのは、古紙を原料にした再生紙の利用が行き渡っており、繰り返し再々利用をすると繊維が短くなり劣化することも周知のところである。法の趣旨にてらして、資源として再利用する技術的な検討と解決も必要だったからである。建設用の杭などの利用方途も研究されているが、コスト的に採算が合わない。もともと古紙はありあまっている。その回収が有償から無料になり、逆有償となり負担の増大することも考えられる。法律に、現場の実態がどれだけ反映されたのか、法律の適正な運用に指導と配慮がなされているのか、といったことを含めてわれわの意見を今後提案していく必要があるであろう。
プラスチックは燃やすとダイオキシンが発生する。これに対して、われわれ関係者は、紙について手間暇をかけてリサイクルするより、燃やした方が手っ取り早い、という述懐をしていたことがある。法律は、一般廃棄物の減量化による生活環境の保全や資源の有効利用による国民経済の健全な発展ということで、リサイクルの費用を市場のメカニズムを通じて国民すべてが負担することとしているのである。自治体がその他紙製品を分別収集しても最終的には熱利用するいわゆるサーマルリサイクルということになれば、法の趣旨に適合した再資源化ということにはならないではないかという疑問が生じる。
紙製容器包装については、地方自治体がどれだけ分別収集に参画するか。自治体も5ヵ年計画に基づいて3ヵ年間の契約以上の量を増やすということはないであろう。契約量しか再資源されないから、それ以上集めなければ、協会は処理可能量しか再資源化しないので、余った分は、自治体で保管し翌年に回さなければならない。
平成12年度から容器包装リサイクル法は、全面的に施行され、3年後の法律の運用情況に即して法律自体が見直しということになる可能性もあるだろう。全面施行しなければ、見直しということにはならないから、組合員及び組合は問題点を把握して法律の適正な運用のために意見を述べなければならない局面に直面することになるであろう。
Copyright 京都府紙器段ボール箱工業組合
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